ヒラスズキのシーズン別釣り方【春夏秋冬】
すべての状況が整わないとなかなか顔を見せてくれない気分屋のヒラスズキ。
その貴重な1本を手にするには、ただ闇雲にルアーをキャストして引いてくれば良いというものではない。
ポイントにベイトもいてヒラスズキが多数入っている場合でも、場合によってはアングラー側の攻め方のまずさによってせっかくのチャンスを台無しにしてしまうこともよくあること。
人間もそうだがヒラスズキも、一日一日のコンディションに違いがあり、その日の水温、風、波、潮の濁り…など様々な要素によって活性も変わってくる。
さらに言えば、一年の中のシーズンによっても、食の好みや活性の上がり具合などに大きく違いがあり、それに合わせたアプローチをしてやらないと見向きもしてくれないことも多いのだ。
では、どんな釣りかた、攻めかたをしていけば良いのか、シーズン別にヒラスズキの攻略法について考えてみよう。
1. 秋
一般にヒラスズキシーズン開幕と言われるこの秋という季節。
実は非常に難しい季節とも言える。
その理由としては、まず風と風向きがうまい具合に吹いてくれる日が少ないということが挙げられる。
特に、私がホームグラウンドとしている北部九州においてそれは顕著だ。
北部九州においては西側に面した磯にヒラスズキポイントが多く、北から西系の風がヒラスズキ狙いにおいては絶好の風向きとなる。
だが、秋の時期は気圧配置が西高東低になることは少なく、北系で吹くとしたらシイラ狙いに良いとされる北東の風が多い。
なので、西側の磯ではきれいなサラシがなかなかできないというわけだ。
なので、秋にヒラスズキを狙うならポイントとしては東側の磯も充実しているぐるりと周りが海に囲まれている島のような場所を選択すると良い。
典型的なのは、五島列島のようなポイントだ。
ただ、秋のシーズンはヒラスズキだけでなく、青物や根魚など様々なフィッシュイータたちも磯の周りをうろついているので、少々強めのタックルで望むことをおすすめする。
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2. 冬
風向きが北東系から徐々に北西側に移行してくるこの季節。
まさにヒラスズキ爆釣の季節!?……と思いきや、意外とこの季節もそうはいかないことが多い(汗
その理由はまさに水温低下。
ヒラスズキにはサラシが必要 → サラシに必要なのは海が時化ること
……なのだが、冬の北風で大きく時化た海は同時に急激な水温低下も引き起こしてしまう。
なので、サラシができるのは嬉しいのだが、水温が下がってヒラスズキの活性も下がってしまうというなんとも辛い状況となる。
こういう場合にどんな対処法があるのだろうか?
水温があまり下がらない程度の小さな時化を狙って釣行スケジュールをたてるのも一つの手だろう。
比較的大きく時化た時には、時化終わりの一番水温が安定した時が狙い目だ。ヒラスズキは水温が低いことよりも、水温が下がっていく変化に弱いからだ。
寒波が通りすぎて晴れ間が数日続き、うねりのサラシがまだ残っている……なんて言う状況は逃す手はない。
冬はいつも以上に天気図とにらめっこして計画を練る必要がある。
攻めかたとしては、基本的に活性の低いことが多い季節のため、一本を丁寧に狙っていくという釣り方となる。
時には、9センチクラスのミノーや一口サイズのバイブレーションを使う必要も出てくるだろう。
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丁寧に磯際を攻めて、できるだけ魚の口の近くに食べやすいルアーをお膳立てしてあげるイメージを持とう。
根気よく続けていけば、嬉しい一本に出会えるはずだ。
3. 春
一番釣りやすい時期と言えるのが春。
産卵を終えて徐々に体力を取り戻した個体が増え、さらに水温が徐々に上がってくることによってヒラスズキの活性も上向きになってくる。
ただし、3月中旬頃は産卵時期と重なることが多いたパッタリと釣れなくなることがある。
特におすすめな時期は4月から5月にかけて。
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西から南西にかけての暖かい風で時化てくれ、アングラー側としても非常に釣りやすくなる。
この時の攻めかたとしては、比較的大型ミノーなどでここぞというサラシを叩いて回ろう。
あまりタイトに狙わなくてもやる気満々のヒラスズキの方からアタックしてくるので、難しいことを考えずにキャストできる。
一通り叩いた場所であっても、しばらくするとまた新たな数引きの群れが入ってくる可能性も非常に高いので諦めずに攻めてみてほしい。
1年のなかで非常にアグレッシブなヒラスズキを見られるこのシーズン、まず1本とりたいなら春が狙い目だ!
4. 夏
夏もヒラスズキは釣れないことはない。
だが、いかんせん時化が少ないこと、そして磯の上が灼熱地獄と化してしまうことから、釣り人の活性が異様に落ちてくるシーズン(笑
狙い目は、台風が過ぎ去った後の多少のウネリが残っている時、もしくは、若干の風と大潮の下げが重なる時間帯となる。
この時期はシャロー(浅瀬)よりも多少水深がある場所の方が水温が高くなりすぎず安定しているので可能性はある。
磯の先端のような潮の流れが当たる場所も良いポイントだ。
比較的柔らか目でタイトに狙うことのできるロッドが扱いやすいかもしれない。
小さめのミノーなどで磯際をサラシがでるタイミングを見計らって攻めてみよう。
そして、十分な飲み水の用意も忘れないでいただきたい。
ここまでで、シーズン別のヒラスズキの狙い方について紹介してきたが、ご存じの通りヒラスズ釣りは時に危険を伴うこともある釣りなので、十分な安全装備と慎重さを常に忘れること無くこの釣りを楽しんでいただきたい。
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